クマは昔話や小説などにもっとも頻繁に登場する動物の一つです。森の奥深く暮らす、強く雄大な動物という印象がそうさせているのでしょう。けれど、その中で語られている姿は、しばしば誤解に満ちています。生態がよくわからない中、猟師の経験談などよってイメージが形作られてきたからかもしれません。よくある質問と誤解をいくつか紹介しましょう。
【Q】冬眠から目覚める春。おなかのすいたヒグマは凶暴なの?
【A】4〜5ヶ月もの絶食を伴う冬眠の後だから、さぞかしおなかがすいているのだろうということでしょうが、そんなことはありません。国立公園の危機管理部隊である私たちは、この20年もの間、ヒグマが出れば駆けつけて至近距離でのやりとりを繰り返してきていますが、春先に空腹で攻撃的なヒグマを見たことは一度もありません。
【Q】ヒグマの主食はお肉でしょ?
【A】縄張りはありません。いつも行動する範囲はだいたい決まっていますが、「縄張り」とは他の個体が入ってこないように防衛されるものです。条件の良いところでは、何頭ものヒグマの行動圏が重複し、互いに同じ場所を使って暮らしています。
【Q】仁王立ちのヒグマは怒っているの?
【A】怒ってません。映画などでよく見るシーンでは、ヒグマが後ろ足で立ち上がって「ガオー!」なんてやっていますが、普通は違います。立ち上がるのは、近くにいるものが何者かわからない時に、高い位置から鼻や耳をきかせて確かめようとしているのです。森でヒグマが立ち上がってもあわてず、静かに声をかけ、人間がいることを知らせてやってください。

|
 |
| 知床の自然環境を調査・研究している知床財団が、「知床キムンカイ・プロジェクト(仮称)」を始動させます。ヒグマをはじめ野生動物の高密度生息地である知床は、世界自然遺産の登録による観光客増加から、人間との接近事故が心配されています。プロジェクトは問題解決へ向け、北海道内の専門家らがチームを結成し、2006年度から3年計画にて実施。GPS(全地球測位システム)にて、ヒグマの行動追跡ほか、体毛を採取してDNAを分析し、親から独立したクマがどのように移動しているかなども調査します。AIR
DOは、ヒグマとヒトが共に生きる道を探る、安心して暮らせる知床を目指して、この活動を応援していきます。
※当プロジェクトは、2009年3月31日で終了いたしました。
|
|
 |
|