SIRETOKO EYES





ヒグマと出会ったらあなたはどうしますか?
突然問いかけられて、すぐに答えられる人はあまりいないのではないでしょうか?北海道でも、日常的にヒグマを意識して暮らす人は少ないでしょう。答えに窮するのも無理はありません。
知床の子供たちに「野生のヒグマを見たことがある人?」と尋ねると、ほとんどの子の手が挙げます。知床ではヒグマは身近な存在なのです。
ヒグマは積極的に人を襲う動物ではありませんが、人よりも大きな体と強い力を持つ野生動物です。それゆえ、ヒグマに出会った際に間違った対応をとれば、人とヒグマの双方にとって悲しい事故を招きかねません。そのような事故が起こらないように子供たちにヒグマの生態やヒグマに出会った時の対処法を伝える授業、それがクマ授業です。私たちが地元の小中学校とこの取組みをはじめて10年ほどになります。
授業のせいか、冒頭の質問を投げかけると、知床の子供たちからはすぐに答えが返ってきます。その答えは、「騒がない、慌てない、走って逃げない、ゆっくりヒグマから離れる、近くの大人にヒグマがいたことを知らせる」です。ここでは、交通安全学習と同様、学校の正式なカリキュラムとしてヒグマについて学んでいるのです。
私たちはヒグマを正しく知ることが、人とヒグマがともに暮らすための第一歩になると考えています。多くの誤解や知識の不足が悲しい事故や過剰な恐怖心の原因となっています。この北の地には、アイヌの人々がヒグマを山の神として敬い、ともに生きてきた長い歴史があります。いにしえの知恵に学び、ヒグマを知れば、私たちにも折り合いをつける道はあるはずです。「知床キムンカムイ・プロジェクト」では、子供たちがヒグマたちについて学ぶことができる教材やプログラム、絵本の作成も行っています。


  (財)知床財団 研究員 葛西真輔
http://www.shiretoko.or.jp/


知床の自然環境を調査・研究している知床財団が、「知床キムンカイ・プロジェクト(仮称)」を始動させます。ヒグマをはじめ野生動物の高密度生息地である知床は、世界自然遺産の登録による観光客増加から、人間との接近事故が心配されています。プロジェクトは問題解決へ向け、北海道内の専門家らがチームを結成し、2006年度から3年計画にて実施。GPS(全地球測位システム)にて、ヒグマの行動追跡ほか、体毛を採取してDNAを分析し、親から独立したクマがどのように移動しているかなども調査します。AIR DOは、ヒグマとヒトが共に生きる道を探る、安心して暮らせる知床を目指して、この活動を応援していきます。

 
 
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